はじめて鍛金用の金槌を作りました。金の部分と柄の材料を買ってきて、槌の部分も自分で磨いて、柄も自分の手に馴染むように削ります。グラインダーで鏡の部分を左右対称に磨いたり、形をピシッと決めたりするのって、シロートにはむつかしいけど、出来上がるとすごーく嬉しいです。
ところで。金槌は大工道具として、ご家庭に1本くらいはあるんじゃないかと思いますが、鍛金用のは金属加工用ですからちょっとフツーの金槌とは違います。金槌だけでも「道楽」になってしまうほど種類もいーっぱいあって、マニアックというか専門用語な世界ですけど代表的な金槌の種類をご紹介してみますね。
<しめ槌>・・・主に絞り(*)で使う金槌(↑写真もしめ槌です)。角丸の平らな面を「鏡(カガミ)」、反対側の細長い面を「カラカミ」という。地金の材質や厚みなどによって、金槌の重さや大きさも使い分ける。
*絞り 銅板などの金属板を、当て金に乗せて金槌で叩いて、ある一定の曲面に仕上げていくこと。
<芋槌>・・・芋のようなもっこりしたかたちをしている。金属板をつき出したり、へこみやえぐれの曲面を打つときに使う。
<深絞り用金槌>・・・大きな地金を深絞りするときや、握り手が地金にぶつかってしまう場合などに使う、片方が長い形の金槌。「片槌」「片口槌」とも言われ、金属用金槌の元祖にあたるもの。
<福槌(オタフク)>・・・寸法が短くて、ふっくらしていることから「オタフク」と呼ばれる。鏨(たがね)類を打つ金槌。
<ハンマー類>・・・鍛造のときなどに使う大きなもの。
<小物用金槌>・・・小物の作品を作るときに使う金槌。金の部分も小さければ、柄も細い。
<荒し槌>・・・鏡やカラカミの部分にわざと凹凸をつけた金槌。叩いた面に独特の模様がつくように仕上げられる。鏡面を荒らすのも自分で作る。
<均し槌>・・・仕上げのときに使う金槌。
はぁ~こんなに種類があったのね・・・って今更おさらいしてますが。ちなみにホームセンターで「ハンマーください~」って言えば買えると思うけど、「荒し槌ください~」といっても買えませんのでアシカラズ。
***おまけ***
↓鍛金、鋳金、彫金の違いがわかりやすく説明してあります。
伝統工芸なぞなぞ百科 (金工編)
追加:鍛金ってどうにも説明するのがむつかしいんですけど、
同じく伝統工芸サイト内に鍛金の作業をビデオで紹介している
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